秋田県仙北市田沢湖田沢先達にある乳頭温泉郷の鶴の湯温泉は、350年以上の歴史を誇る東北屈指の秘湯として知られています。江戸時代から秋田藩主が湯治に訪れた由緒ある温泉地で、現在でも茅葺き屋根の本陣が当時の雰囲気を色濃く残しています。4つの異なる源泉を持ち、それぞれ泉質や効能が違うため、温泉愛好家からは「温泉のデパート」とも呼ばれるほど多彩な湯浴みが楽しめるのが特徴です。
宿泊だけでなく日帰り入浴も可能で、料金は大人700円とリーズナブル。予約は電話または秘湯を守る会の公式サイトのみで受け付けており、じゃらんなどの一般的な予約サイトでは取り扱っていません。宿泊料金は選ぶ部屋タイプによって11,000円から23,000円程度と幅があり、囲炉裏付きの本陣から湯治棟まで様々な宿泊スタイルが選択できます。アクセスは田沢湖駅からバスと送迎車を利用して約1時間程度となっています。
この記事のポイント |
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✅ 鶴の湯温泉の350年の歴史と4つの源泉の特徴 |
✅ 予約方法と宿泊料金の詳細情報 |
✅ 日帰り入浴から宿泊まで利用方法の違い |
✅ アクセス方法と交通手段の選び方 |
秋田県仙北市田沢湖田沢先達の乳頭温泉郷・鶴の湯温泉の基本情報
- 鶴の湯温泉は350年の歴史を持つ乳頭温泉郷最古の名湯
- 4つの源泉が楽しめる多彩な温泉体験が魅力
- 日帰り入浴なら700円で秘湯体験が可能
- アクセスは田沢湖駅からバス+送迎で約1時間
- 茅葺き屋根の本陣で江戸時代の湯治場雰囲気を満喫
- 山の芋鍋をはじめとした郷土料理が絶品
鶴の湯温泉は350年の歴史を持つ乳頭温泉郷最古の名湯
秋田県仙北市田沢湖田沢先達の乳頭温泉郷にある鶴の湯温泉は、開湯から350余年という驚くべき歴史を持つ東北屈指の古湯です。乳頭温泉郷には7つの温泉宿がありますが、その中でも最も古くから存在する温泉宿として知られています。
温泉の名前の由来は、地元の猟師・勘助が猟の際に傷ついた鶴が湯で傷を癒している様子を発見したことから「鶴の湯」と名付けられたという美しい伝説があります。この逸話からも分かるように、古くから動物たちも癒しを求めて訪れる特別な場所だったのです。
江戸時代には秋田藩主の佐竹公をはじめとする武家階級の湯治場として利用されており、寛永15年(1638年)に二代目秋田藩主・佐竹義隆公、寛文1年(1661年)に亀田藩・岩城玄蕃公が湯治のために訪れた記録が残っています。一般客を相手にした湯宿としての営業記録は元禄時代(1688~1704年)から残っており、300年以上にわたって人々に愛され続けていることが分かります。
現在でも当時の面影を色濃く残す**茅葺き屋根の長屋「本陣」**が現存しており、江戸時代に警護の武士が詰めた建物をそのまま宿泊施設として利用しています。この建物は風雪に耐える太い梁が特徴的で、地元の雑木のみを使って建てられた平屋の曲がり屋風建築は、豪雪地帯ならではの工夫が随所に見られます。
🏛️ 鶴の湯温泉の歴史年表
年代 | 出来事 |
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1638年(寛永15年) | 二代目秋田藩主・佐竹義隆公が湯治で来訪 |
1661年(寛文1年) | 亀田藩・岩城玄蕃公が湯治で来訪 |
1688-1704年(元禄時代) | 一般客向け湯宿として営業開始 |
現在 | 350余年の歴史を持つ秘湯として営業継続 |
4つの源泉が楽しめる多彩な温泉体験が魅力
鶴の湯温泉の最大の魅力は、4つの異なる泉質の源泉を一度に楽しめることです。それぞれが異なる特徴と効能を持っているため、まさに「温泉のテーマパーク」のような体験ができます。
**白湯(しらゆ)**は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、乳白色の美しい湯色が特徴です。硫黄分が多く含まれているため美肌効果が期待でき、特に女性に人気の高い温泉です。露天風呂では四季折々の自然を眺めながら、この美しい乳白色の湯に浸かることができます。
**黒湯(くろゆ)**は保温性が非常に高く、「ぬぐだまりの湯」とも呼ばれています。鉄分を多く含んでおり、湯上り後も体がポカポカと温かく、冷え性の改善に特に効果的とされています。特に寒い季節には、この黒湯の温まり効果を実感できるでしょう。
**中の湯(なかのゆ)**は神経性の疲労や目の病に良いとされており、現代人のストレス社会にぴったりの効能を持っています。pH値や成分バランスが絶妙で、長湯してものぼせにくいという特徴があります。
滝の湯(打たせ湯)は自然の岩場を利用した打たせ湯で、肩こりや筋肉の緊張をほぐす効果があります。ただし、この滝の湯は11月から4月下旬まではご利用できませんので、訪問時期にご注意ください。
💧 各源泉の特徴と効能
源泉名 | 泉質 | 主な効能 | 特徴 |
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白湯 | 含硫黄-Na・Ca-塩化物・炭酸水素塩泉 | 美肌効果、皮膚病 | 乳白色の美しい湯 |
黒湯 | ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 | 保温効果、冷え性 | 「ぬぐだまりの湯」 |
中の湯 | – | 神経疲労、目の病気 | 長湯しやすい |
滝の湯 | – | 肩こり、筋肉疲労 | 打たせ湯(冬季休止) |
温泉施設内には内湯8つ、露天2つの合計10の浴槽があり、これらの源泉を組み合わせて様々な湯船が設けられています。源泉温度は約60度と高温ですが、一部では適温にするために加水を行っています。毎分280リットルという豊富な湧出量を誇り、全ての浴槽で源泉かけ流しを実現しています。
日帰り入浴なら700円で秘湯体験が可能
宿泊しなくても鶴の湯温泉の魅力を味わえるのが日帰り入浴サービスです。料金は大人700円、子供300円と非常にリーズナブルで、この価格で4つの源泉を楽しめるのは驚異的なコストパフォーマンスと言えるでしょう。
日帰り入浴の営業時間は10:00~15:00となっており、比較的短い時間帯での営業となっています。これは宿泊客への配慮と、湯量の管理、清掃時間の確保などが理由と推測されます。特に注意したいのは、毎週月曜日は露天風呂の清掃のため日帰り入浴ができません(8時~16時頃)。月曜日が祝日の場合は翌日が清掃日となります。
日帰り入浴では宿泊客と同じ温泉施設を利用でき、4つの源泉すべてを楽しむことができます。ただし、滝の湯・鶴の湯・大白の湯・黒湯・中の湯には真水・湯(沸かし湯)・上がり湯の設備(シャワー、カラン)はありませんので、体を洗う場合は館内の内湯を利用する必要があります。
旅の途中での立ち寄り湯として利用する場合、タオルなどのアメニティは基本的に持参が必要です。ただし、一部のアメニティは館内で購入できる場合もありますので、フロントで確認してみてください。
🚿 日帰り入浴の基本情報
項目 | 詳細 |
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料金 | 大人700円、子供300円(税込) |
営業時間 | 10:00~15:00 |
休業日 | 毎週月曜日の露天風呂(祝日の場合は翌日) |
利用可能設備 | 4つの源泉すべて |
シャワー・カラン | 館内内湯のみ |
多くの温泉愛好家が「一度は行ってみたい」と憧れる秘湯を、わずか700円で体験できるのは非常に魅力的です。特に温泉巡りをしている方にとっては、乳頭温泉郷の7つの温泉を巡る「湯めぐり帖」(2,500円、子供1,000円)を購入すれば、さらにお得に温泉体験を楽しむことができます。
アクセスは田沢湖駅からバス+送迎で約1時間
秋田県仙北市田沢湖田沢先達の鶴の湯温泉へのアクセスは、秘湯らしく少し複雑ですが、その分到着した時の感動はひとしおです。最も一般的なルートは秋田新幹線こまちを利用してJR田沢湖駅まで行き、そこからバスと送迎車を乗り継ぐ方法です。
田沢湖駅に到着したら、駅前にある羽後交通の乳頭温泉行きバスに乗車します。このバスは1時間に1本程度の運行なので、事前に時刻表を確認しておくことが重要です。バスに乗車したら、約40分で**「アルパこまくさ」バス停**に到着します。
ここからが鶴の湯温泉独特のアクセス方法で、アルパこまくさバス停から鶴の湯温泉までは専用の送迎車を利用します。送迎車は宿泊予約時に乗車するバスの便を伝えておけば、バス到着時間に合わせて待機してくれています。送迎車での移動時間は約15分程度です。
日帰り利用の場合も送迎は利用できますが、事前に電話連絡(TEL: 0187-46-2139)が必要です。乳頭温泉行きバスの午後の便に合わせて迎えに来てくれ、帰りは田沢湖駅行きの午前の便に合わせて送ってもらえます。
🚌 公共交通機関でのアクセス手順
段階 | 交通手段 | 所要時間 | 備考 |
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1 | 秋田新幹線こまち | – | JR田沢湖駅下車 |
2 | 羽後交通乳頭温泉行きバス | 約40分 | 1時間に1本程度 |
3 | アルパこまくさバス停下車 | – | – |
4 | 鶴の湯温泉送迎車 | 約15分 | 要事前連絡 |
車でのアクセスの場合、東京・仙台方面からは盛岡インターから国道46号線で秋田方面へ向かい、田沢湖町で国道341号に右折、先達沢交差点で右折(ENEOSのガソリンスタンドが目印)して約13km進んだところで左折します。鶴の湯の木製看板が出ているので、そこを左折して3kmの林道を進むと鶴の湯温泉に到着です。
秋田市・秋田空港方面からは国道13号から国道46号を通り、田沢湖で国道341号へ左折、先達沢交差点を右折後13kmで鶴の湯温泉入口となります。
茅葺き屋根の本陣で江戸時代の湯治場雰囲気を満喫
鶴の湯温泉の最大の魅力の一つは、江戸時代から続く茅葺き屋根の本陣で宿泊できることです。この本陣は実際に秋田藩主の警護を務めた武士たちが詰めていた建物で、現在も当時の面影をそのまま残した貴重な文化遺産となっています。
本陣の建物は平屋の曲がり屋風建築で、豪雪に耐える太い梁が特徴的です。建材には地元で採れたブナ、トチ、クリなど様々な雑木が使用されており、漆喰の白壁との対比が美しく、周囲のブナ林に見事に調和しています。特に雪景色の中で見る茅葺き屋根の本陣は、まるで時代劇のセットのような幻想的な美しさです。
本陣の客室は江戸時代からの長屋風のお部屋で、2人から4人まで宿泊可能です。部屋には囲炉裏が設けられており、夜になると実際に火を起こして、岩魚の塩焼きなどを楽しむことができます。電気照明もありますが、夜は灯油ランプの柔らかい光で過ごすこともでき、まさに江戸時代の湯治体験を味わえます。
本陣には現代的な設備も最小限配備されており、洗面台やトイレ(ウォッシュレット付き)、電話なども完備されています。しかし、あえてテレビや冷蔵庫などは設置せず、デジタルデトックスを体験できる環境が整えられています。Wi-Fiは利用できますが、せっかくの秘湯体験を満喫するために、スマートフォンは最小限の利用に留めることをおすすめします。
🏠 本陣宿泊の特徴
特徴 | 詳細 |
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建築様式 | 江戸時代の茅葺き屋根長屋 |
収容人数 | 2〜4人(和室) |
特別設備 | 囲炉裏、灯油ランプ |
基本設備 | 洗面台、トイレ、電話 |
デジタル環境 | Wi-Fi利用可、テレビなし |
宿泊者からは「タイムスリップしたような体験ができた」「囲炉裏を囲んで家族の絆が深まった」「デジタルデトックスできて心がリフレッシュされた」といった声が多く聞かれます。現代社会のストレスから離れて、本当の意味でのリラックス体験を求める方には特におすすめの宿泊施設です。
山の芋鍋をはじめとした郷土料理が絶品
鶴の湯温泉の食事は、秋田県の山の恵みを活かした素朴で滋味深い郷土料理が自慢です。特に名物となっているのが**「山の芋鍋」**で、これは大女将のオリジナルレシピによる味噌仕立ての鍋料理です。
山の芋鍋は、この地域で昔から親しまれてきた山の芋を使用した団子をメインに、地元で採れる山菜やきのこ類をたっぷりと煮込んだ心温まる料理です。山の芋の粘り気と素朴な味わいが特徴で、体の芯から温まる冬の定番料理として地元の人々に愛され続けています。鶴の湯温泉では、代々受け継がれてきたこの郷土料理を、大女将独自のアレンジを加えて提供しています。
食事のもう一つの名物が囲炉裏で焼き上げられる岩魚の塩焼きです。本陣に宿泊する場合、客室の囲炉裏で実際に岩魚を焼く体験ができます。炭火でじっくりと焼かれた岩魚は、皮はパリッと、身はふっくらとした絶妙な食感で、都市部では味わえない贅沢な味覚体験です。
季節ごとに変わる山菜料理も見逃せません。春にはふきのとう、こごみ、たらの芽などの山菜を使った天ぷらや和え物、夏にはわらび、ぜんまいなどの山菜煮、秋にはきのこ類をふんだんに使った汁物など、その時期にしか味わえない旬の味覚を楽しむことができます。
🍽️ 鶴の湯温泉の代表的な料理
料理名 | 特徴 | 提供時期 |
---|---|---|
山の芋鍋 | 大女将オリジナル味噌仕立て | 通年 |
岩魚の塩焼き | 囲炉裏で焼き上げ | 通年 |
山菜天ぷら | ふきのとう、こごみ、たらの芽 | 春季 |
きのこ汁 | 地元産きのこ類使用 | 秋季 |
食事は部屋食と食事処での食事の両方に対応しており、宿泊する建物や料金プランによって変わります。本陣や新本陣に宿泊する場合は基本的に部屋食となり、囲炉裏を囲んでの食事体験ができます。一方、湯治棟などに宿泊する場合は食事処での提供となりますが、こちらでも同じ郷土料理を味わうことができます。
料理に使用される食材は可能な限り地元産にこだわっており、米は秋田県産あきたこまち、野菜類も近隣の農家から仕入れた新鮮なものを使用しています。調味料も伝統的な製法で作られた味噌や醤油を使用し、化学調味料は極力使わない自然な味付けを心がけています。
秋田県仙北市田沢湖田沢先達の乳頭温泉郷・鶴の湯温泉の宿泊と予約情報
- 予約は電話または秘湯を守る会Webサイトのみ対応
- 宿泊料金は部屋タイプにより11,000円〜23,000円
- 部屋は本陣・新本陣・一号館・二号館から選択可能
- 冬季は暖房費1,320円が別途必要
- チェックイン15:00・チェックアウト10:00の標準設定
- クレジットカードはVISA・MASTERのみ利用可能
- まとめ:秋田県仙北市田沢湖田沢先達の乳頭温泉郷・鶴の湯温泉
予約は電話または秘湯を守る会Webサイトのみ対応
鶴の湯温泉の予約方法は、一般的な宿泊予約サイトとは大きく異なり、電話予約または日本秘湯を守る会の公式Webサイトのみで受け付けています。じゃらんや楽天トラベルなどの大手予約サイトでは取り扱っていないため、注意が必要です。
電話予約の場合はTEL: 0187-46-2139まで直接連絡します。営業時間内(一般的には朝9時から夕方6時頃まで)に電話をかけ、希望の宿泊日、人数、部屋タイプなどを伝えます。電話予約の際は、メール対応は一切していませんので、必ず電話での連絡が必要です。
日本秘湯を守る会のWebサイト(https://www.hitou.or.jp/)では、即時予約に対応しています。これは予約操作の完了と同時に予約が成立するシステムで、空室状況がリアルタイムで確認できるため非常に便利です。ただし、このWebサイトでの予約には会員登録が必要な場合があります。
予約の取りづらさで有名な鶴の湯温泉ですが、特に**週末や連休、紅葉シーズン(10月中旬〜11月上旬)、雪見温泉シーズン(12月〜3月)**は予約が集中します。これらの時期に宿泊を希望する場合は、2〜3ヶ月前から予約の準備をすることをおすすめします。
📞 予約方法の比較
予約方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話予約 | 詳細な相談が可能、確実性が高い | 営業時間内のみ、電話代がかかる |
秘湯を守る会Web | 24時間対応、即時予約可能 | 会員登録が必要な場合がある |
一般予約サイト | – | 取り扱いなし |
予約時の注意点として、鶴の湯温泉はキャンセルポリシーが厳格に設定されています。宿泊日の前日や当日のキャンセルには100%のキャンセル料がかかる場合が多いため、予約前にキャンセル規定をしっかりと確認しておくことが重要です。また、天候不良による交通機関の運休などでアクセスできない場合の対応についても、予約時に確認しておくと安心です。
平日の利用であれば比較的予約が取りやすく、特に火曜日〜木曜日の平日は狙い目です。また、日帰り入浴から始めて雰囲気を確認してから、改めて宿泊予約を取るという方法もおすすめします。
宿泊料金は部屋タイプにより11,000円〜23,000円
鶴の湯温泉の宿泊料金は、選択する部屋のタイプによって大きく異なり、1人1泊2食付きで11,000円から23,000円程度の幅があります。この料金設定は、江戸時代から続く湯治場の伝統を反映したもので、湯治目的の質素な宿泊から、特別な体験を求める宿泊まで、様々なニーズに対応しています。
最もリーズナブルな二号館は、昔ながらの湯治のお部屋で、夏季(2025年4月から)は11,000円、冬季は11,660円となっています。6畳一間のこじんまりとしたお部屋で、1人から2人まで宿泊可能です。食事は朝夕とも本陣食堂でのご提供となり、基本的なアメニティは一通り揃っています。
一号館は夏季17,380円、冬季17,710円で、最近トイレ・洗面台付きにリニューアルされました。2人から4人まで宿泊可能で、二号館よりも設備面で充実しています。全室が2階のお部屋となっており、お部屋食でのご提供となります。
🏨 部屋タイプ別宿泊料金(1人1泊2食付・税込)
部屋タイプ | 夏季料金 | 冬季料金 | 収容人数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
二号館 | 11,000円 | 11,660円 | 1〜2人 | 湯治棟、食事は食堂 |
本陣 | 14,850円 | 15,180円 | 2〜4人 | 江戸時代の長屋風 |
一号館 | 17,380円 | 17,710円 | 2〜4人 | トイレ・洗面台付 |
新本陣 | 17,050円 | 17,380円 | 2〜4人 | 比較的新しい棟 |
本陣は江戸時代からの長屋風のお部屋で、夏季14,850円、冬季15,180円となっています。2人から4人まで宿泊可能で、囲炉裏付きの特別な体験ができます。食事は基本的に部屋食で、囲炉裏を使った岩魚の塩焼きなども楽しめます。
新本陣は夏季17,050円、冬季17,380円で、鶴の湯の中では比較的新しい棟です。2人から4人まで宿泊可能で、新本陣5番と東本陣1番・5番のお部屋には囲炉裏が付いています。お部屋食で、洗面台・トイレ付き・電話ありと設備面でも充実しています。
冬期間(大体10月から5月まで)は、全ての部屋タイプで1部屋につき1,320円の暖房費が別途必要となります。これは豪雪地帯での温泉旅館運営には欠かせない費用で、灯油代や暖房設備の維持費用として設定されています。
部屋は本陣・新本陣・一号館・二号館から選択可能
鶴の湯温泉では、宿泊客のニーズや予算に応じて4つの異なるタイプの宿泊施設を選ぶことができます。それぞれが独特の特徴を持っており、どの部屋を選ぶかで温泉体験の内容が大きく変わります。
本陣は鶴の湯温泉の象徴ともいえる建物で、江戸時代から続く茅葺き屋根の長屋です。秋田藩主の警護を務めた武士たちが実際に詰めていた建物を宿泊施設として利用しており、歴史的価値は計り知れません。客室には囲炉裏が設けられており、夜になると実際に炭火を起こして、岩魚を焼いたり、お茶を沸かしたりする体験ができます。まさに江戸時代の湯治体験そのものを味わえる特別な宿泊施設です。
新本陣は本陣よりも比較的新しい建物ですが、それでも伝統的な日本建築の美しさを保持しています。純和風のインテリアと老舗宿ならではの風格が特徴で、現代的な快適さと伝統的な雰囲気のバランスが絶妙です。一部の部屋(新本陣5番と東本陣1番・5番)には囲炉裏が付いており、本陣に近い体験をすることができます。
一号館は最近リニューアルされた建物で、トイレ・洗面台付きにアップグレードされました。全室が2階にあり、窓からは美しいブナ林を見渡すことができます。設備面では最も現代的で、温泉初心者や年配の方にも利用しやすい設計となっています。
🏠 各宿泊施設の特徴比較
施設名 | 建築年代 | 特別設備 | 階数 | 雰囲気 |
---|---|---|---|---|
本陣 | 江戸時代〜 | 囲炉裏、茅葺き屋根 | 平屋 | 最も歴史的 |
新本陣 | 比較的新しい | 一部囲炉裏付き | 平屋 | 伝統と現代の融合 |
一号館 | リニューアル済 | トイレ・洗面台 | 2階建 | 最も現代的 |
二号館 | 湯治棟 | 基本設備のみ | 平屋 | 最も質素 |
二号館は昔ながらの湯治棟で、6畳一間のシンプルなお部屋です。設備は必要最小限に抑えられていますが、その分料金もリーズナブルで、温泉そのものを純粋に楽しみたいという方におすすめです。食事は本陣食堂でのご提供となり、他の宿泊客との交流も生まれやすい環境です。
どの部屋を選ぶかは、求める体験や予算によって決まりますが、初めて鶴の湯温泉を訪れる場合は本陣または新本陣がおすすめです。囲炉裏体験ができる部屋であれば、鶴の湯温泉の真の魅力を存分に味わうことができるでしょう。
冬季は暖房費1,320円が別途必要
鶴の湯温泉では、豪雪地帯という立地条件から、冬期間(大体10月から5月まで)は1部屋につき1,320円の暖房費が別途必要となります。この暖房費は、厳しい東北の冬を快適に過ごすための必要経費として設定されており、宿泊料金とは別に請求されます。
暖房費の設定期間はその年の気温により前後しますが、大体10月から5月までとなっています。近年の気候変動の影響で、暖房が必要な期間も年によって変わるため、予約時に確認することをおすすめします。特に10月や5月の予約の場合、暖房費がかかるかどうか微妙な時期なので、事前に問い合わせておくと安心です。
この暖房費は決して高額ではありませんが、家族やグループで複数部屋を予約する場合は、部屋数×1,320円が追加でかかることになります。例えば、4人家族で2部屋予約した場合、2,640円の暖房費が別途必要となります。
❄️ 冬季暖房費の詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
暖房費 | 1部屋につき1,320円 |
対象期間 | 大体10月〜5月(年により変動) |
課金単位 | 1部屋ごと |
支払い方法 | 宿泊料金と合算 |
豪雪地帯の温泉宿では、冬季の暖房費は一般的な設定で、灯油代の高騰や暖房設備の維持費用を考えると、むしろリーズナブルな設定と言えるでしょう。鶴の湯温泉の建物は歴史ある木造建築のため、現代的な断熱性能は期待できませんが、その分囲炉裏や炭火の温もりで心も体も温まる、他では味わえない体験ができます。
冬季の鶴の湯温泉は特に美しく、雪景色と茅葺き屋根のコントラストは息を呑むほどの美しさです。暖房費を支払ってでも訪れる価値は十分にあり、むしろ冬こそが鶴の湯温泉の真価を発揮する季節と言えるかもしれません。また、雪に包まれた露天風呂での入浴体験は、一生の思い出になることでしょう。
チェックイン15:00・チェックアウト10:00の標準設定
鶴の湯温泉の宿泊時間は、チェックイン15:00、チェックアウト10:00が標準設定となっています。この時間設定は多くの温泉旅館と同様ですが、秘湯という特殊な立地条件を考慮すると、時間に余裕を持った行動計画を立てることが重要です。
夏季期間(4月〜10月頃)はチェックイン15:00〜18:00となっており、比較的時間に余裕があります。しかし、冬季期間(11月〜3月頃)はチェックイン15:00〜17:30と受付時間が短くなります。これは、冬季の日没が早く、山間部での夜間の移動が危険になるためです。
チェックアウト時間は年間通して10:00で統一されています。朝食は比較的早い時間(7:00〜8:30頃)に提供されるため、チェックアウトまでには十分な時間があります。ただし、帰りのバスの時間を考慮すると、送迎車の時間に合わせた行動が必要になります。
⏰ 宿泊時間の詳細
項目 | 夏季(4-10月) | 冬季(11-3月) |
---|---|---|
チェックイン | 15:00〜18:00 | 15:00〜17:30 |
チェックアウト | 10:00 | 10:00 |
朝食時間 | 7:00〜8:30頃 | 7:00〜8:30頃 |
送迎車 | バス時間に合わせて | バス時間に合わせて |
早めのチェックインやレイトチェックアウトについては、事前相談により対応可能な場合があります。ただし、清掃や食事準備の都合上、大幅な時間変更は難しい場合が多いため、特別な事情がある場合は予約時に相談することをおすすめします。
宿泊当日は、田沢湖駅から乳頭温泉行きのバスに乗車する前に、鶴の湯温泉に連絡を入れることが推奨されています。これにより、アルパこまくさバス停での送迎車の待機時間を調整してもらえ、スムーズなチェックインが可能になります。また、交通機関の遅れなどで到着時間が変更になる場合も、早めの連絡を心がけましょう。
クレジットカードはVISA・MASTERのみ利用可能
鶴の湯温泉での支払い方法は限定的で、クレジットカードはVISAとMASTERのみ利用可能となっています。JCB、American Express、Dinersなどの他のブランドは利用できないため、事前の確認と準備が必要です。
現金での支払いも当然可能ですが、山間部という立地上、近隣にATMがないため、事前に十分な現金を用意しておくことが重要です。最寄りのATMは田沢湖駅周辺にあるため、新幹線到着後にバスに乗車する前に現金を引き出しておくのが賢明です。
支払いのタイミングは、チェックイン時またはチェックアウト時となります。宿泊料金、暖房費(冬季)、その他のサービス料金(マッサージや追加料理など)をまとめて精算します。領収書の発行も可能で、会社名などの宛名変更にも対応してもらえます。
💳 利用可能な支払い方法
支払い方法 | 利用可否 | 備考 |
---|---|---|
現金 | ◯ | 事前準備が必要 |
VISA | ◯ | 利用可能 |
MASTER | ◯ | 利用可能 |
JCB | × | 利用不可 |
AMEX | × | 利用不可 |
電子マネー | × | 利用不可 |
電子マネー(Suica、PayPayなど)やQRコード決済には対応していません。これは、山間部での電波状況や、伝統的な温泉宿としての方針によるものと考えられます。支払い方法が限定されることで不便を感じる方もいるかもしれませんが、これも秘湯ならではの特徴として理解し、事前準備をしっかりと行いましょう。
旅行保険や各種割引サービスを利用する場合、支払い方法の制限により適用できない場合があります。特に、特定のクレジットカードでの支払いが条件となっている割引サービスを利用予定の場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ:秋田県仙北市田沢湖田沢先達の乳頭温泉郷・鶴の湯温泉
最後に記事のポイントをまとめます。
- 鶴の湯温泉は350年以上の歴史を持つ乳頭温泉郷最古の温泉宿である
- 江戸時代には秋田藩主の湯治場として利用されていた由緒ある温泉である
- 白湯・黒湯・中の湯・滝の湯の4つの異なる源泉を楽しむことができる
- 茅葺き屋根の本陣は江戸時代から続く貴重な文化遺産である
- 日帰り入浴は大人700円で利用可能(10:00〜15:00)である
- 宿泊料金は1人1泊2食付き11,000円〜23,000円の幅がある
- 予約は電話または日本秘湯を守る会のWebサイトのみで受け付けている
- アクセスは田沢湖駅からバス+送迎車で約1時間を要する
- 冬季期間は1部屋につき1,320円の暖房費が別途必要である
- クレジットカードはVISAとMASTERのみ利用可能である
- チェックイン15:00、チェックアウト10:00が標準設定である
- 囲炉裏付きの部屋では岩魚の塩焼きなどの体験ができる
- 山の芋鍋は大女将オリジナルレシピの名物料理である
- 毎週月曜日は露天風呂の清掃により日帰り入浴ができない
- 源泉かけ流しで毎分280リットルの豊富な湧出量を誇る
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- http://www.nyuto-onsenkyo.com/tsurunoyu.html
- https://www.tsurunoyu.com/
- https://www.hitou.or.jp/provider/plans?providerId=598
- https://www.tsurunoyu.com/FONDMENT/t-heya.html
- https://www.hitou.or.jp/provider/detail?providerId=598
- https://www.jreast.co.jp/the-onsen/nyuto.html
- https://tazawako-kakunodate.com/ja/shops/192
- https://travel.rakuten.co.jp/yado/spot/akita/S5001034.html
- https://ookama-onsen.jp/
- https://yoyaku.nihon-bunkaisan.org/provider/detail?providerId=598